#023探偵アリスの迷事件簿・1

ようやくワールド移動とCC再インストールが一段落。まだ厳密にチェックしていない世帯もあるけれど、まあ細かいことはいいのだ。そんなわけで、話は探偵アリス・カーソンに戻る。

アリスは特質「鍛錬されている」の持ち主だが、まだ武道スキルを身につけていなかった。本来は旅行先にある武道修行用の人形や瓦割りで鍛錬するようだったが、データが重くなるという噂の旅行はまだ導入したくないため、チートで小さな公園の一角に設置してみた。

アリス「探偵といっても犯人と格闘する場面もあるかもしれないし、武術は大切な教養といえるわ」

しかしこの公園、ドッグパークなのでかなりの違和感が……そのうち武道場でも作ろうかな。

修行はそこそこに、本来の任務も忘れずに。といっても初めての探偵プレイで何をすればいいのかよくわからない。「張り込み」というコマンドがあったので、やってみよう。サッと探偵の装束に着替え、取り出したのはカモフラージュ用の木の枝。

アリス(あの少年、怪しいわね)

……自分も相当怪しいが。なお、怪しまれている少年は新聞配達人姿の公一である。ジャーナリズムの道は険しいらしい。

公園には特に何もなかったので、犯罪者アジトなどへ。見ると、新米犯罪者のステファンが電話で誰かとお喋りしている。

アリス(犯罪組織の密談でもしているのかと思ったけれど、ただのノロケ話のようね……)

……やはりここも特に何もなかった。この「張り込み」って一体何が起きるんだろう? 予め何か事件が起きていないとだめなのだろうか。

事件の発生方法がわからないので、今さらヘルプを見てみたところ、どうやら警察かネットで自主的に探さねばならないらしい。そういえば、アリスとしたことが、パソコンを持っていなかった……。なんとなくデスクトップが似合うのでiMacを買い、さっそくネットで依頼を探す。

事件を発見。サイバー戦争とは穏やかでない。

さっそく、フランツに話を聞きに出向く。

フランツ「実はキョウコと名乗る女性が、ネットで僕に関する根拠のない中傷誹謗を繰り返していて、すっかり困っているんだ。きっと彼女は最近出版された、とある小説を読んだのだろうが……」

果たしてこれは、探偵の仕事なのだろうか。しかも、「目標:キョウコ・エムラのコンピュータをハッキングしましょう」って……そういう解決法でいいのだろうか。

一方その頃、同居人のセイは仕事が休みなので、ひたすら論理学スキルの向上に励んでいるようだった。チェスの次のランクの対戦相手は、街の病院に勤めるリチャード先生。招待すると、ゆるーいスポーツウェア姿でやってきた……。

家に戻ったアリスはさっそくキョウコのパソコンをハッキング。スマートにやるのかと思いきや、手当たり次第にパスワードを入れてみている! まあしかし、なんとか解決したようだ。

フランツに結果報告に向かおうとしたが、どうやらアリョーシャの家に遊びに行ってしまったらしい。

もう夕方になっていたが、この事件は今日中に片づけてしまおうと思い、アリョーシャの家を訪ねるアリス。

アリス「こんばんは。突然だけど、フォン・グリュンネ氏はこちらにおいでかしら?」
アリョーシャ「フランツなら中にいるけど」
アリス「ちょっと入らせて貰うわ」
アリョーシャ(えっ? 誰だよ、名乗りもせず)

中に入ると、サヤカちゃんも来ていて、居間で気絶(のフリ)をしていた。フランツとアリョーシャも最初は驚いていたが、そのうちスルー。嘘と気付いたのかどうか定かではないが、基本的にドライなのがSimの世界である。

アリス「(何この子、邪魔ね?)ああフランツ、先ほどのサイバー戦争のことだけど、無事に解決しました。ついでに彼女には『あの言葉』を送っておいたわ」
フランツ「ええっ……まさか、そこまでするなんて」

なんだかわからないがSimのネット界で一部の人に強烈な衝撃を与えるという言葉を使ったというアリス、寧ろフランツに衝撃を与えつつ、一件落着したようである。依頼料を受け取り、思い出したように今さらアリョーシャに自己紹介をしてから、帰路へ。

家に帰ると、またしてもセイが料理をしていた。アリスに「料理スキルを身につける」の願望が出ていたので、料理したかったのに。

アリス「ただいま。あら……また夕食作ってるの?(せっかく作ってあげようと思ったのに!)」
セイ「君の帰りが遅いからだろう?」

少々仕事に精を出しすぎた模様。料理は自分の分(一皿)もしくは全員分(八皿)しか作れないので、二人暮らしで家族用に作ると二、三日は残り物を食べ続けなければならず、料理をする機会は貴重なのだ。八皿という数自体は簡単なMODを作れば変えられるが、場合に応じて可変だといいんだけどな。

夕食後は少しだけセイとチェスの対戦をして、早々に就寝。どうも、朝早く起きすぎて、夜早くに体力が尽きてしまうのが困ったものだ。ベッドの体力回復量を統一するMODを使っているのだが、設定が高すぎるのかな?

寝ていると、ミシェルから電話がかかってきたので、とりあえず起きる。こんな夜間に? と思ったが、早く寝すぎているだけで、まだ電話をするのに非常識な時間というほどでもないのだ。

アリス「ええ、探偵稼業。案外うまくやれそうよ」

実は彼氏のセイよりも、友達のミシェルとの方が仲が良いのである。そしてセイも、彼女のアリスより友達のミシェルとの方が仲が良い。さすがのカリスマ男・ミシェル……。そして、探偵業務のために頻繁に操作しているせいもあるが、この二人、全くいちゃついたりもしないドライなカップルなのが、実にそれっぽくていいなあ。

探偵業務には論理学の修行も欠かせない。しかしチェス台は頻繁にセイが対戦相手を呼び出して占拠しているので、家に読書コーナーを作ってみた。もう少し明るくしたほうがいいね。

次の日は、「エヴゲニヤが犯罪組織に関わっている!」と主張する、ダーリヤの依頼を解決しに向かった。

合間に公園で修行。武道スキルが上がり、部道着も手に入れた。

と、そこへ、さらに上のランクの帯を身につけた武道家がやってくるではないか。見ると、なんとヴィーチャである。

アリス(あの男も武道の修業をしているようね。けれど私より進んでいるなんて。いつの間に……)

エヴゲニヤの家の郵便受けを探り、証拠を探し出す。

ときにはゴミ箱までも漁る必要が……。

その他、ここ数日でこなした仕事は、アレクシスによる、「ラマ並みの頭脳という評判が立っているので、誤解を解いて欲しい」という依頼。メアリ=クレアによる「自分の歯ブラシを勝手に使っている犯人をつきとめてほしい」という依頼などである。

アリス「歯ブラシについて知っていることを、お姉さんに正直に教えなさい?」
ケイト「そうねえー、ワイロをもらったら教えてあげるわ!」
アリス「……。難しい言葉を知ってるのね?」
ケイト「メアリ=クレアが言ってたのよ。あの子、よく小説とか読んでるから!」
アリス(なんなの、この事件? 談合じゃないのかしら)

なんと! この事件の結末は実際にこうだった……。当初事件を聞いたときはこんな可愛い依頼はメアリ=クレアよりケイトの方が似合うのになあ、などと思ったのだが、とんでもなかった。

シンの経営する田舎のバーで一休み。しかし、バーテンダーというより警察官にしか見えないその服は一体どうしたことだ。まさかのコスプレバーなのか。

シン「いらっしゃい! 怖い顔をしてどうしたの」
アリス「何というか、少々自分の職務に疑問を感じはじめているの。……とりあえずお腹空いたから、食べるものちょうだい」