#003バージルが丘の上の城に辿り着く

改装やキャラメイクは楽しいんだけど、どのキャラもゲーム進展上の目標がいまいち見いだせない。ここで突然、バージルを主人公にしてみることにした。バージルはジュリエットと住んでいるが、脇役NPCのつもりで作ったので既存の家に適当に入居させて壁すら塗り替えていなかった。

しかし今回自宅はどうでもいい。バージル主人公で、グレアムと出会い、グレアムに気に入られるまでのストーリーができないかな? と思いついたのだった。目標はあくまでも自分から惚れるのではなく、相手に惚れさせること。となると案外難しい気がするが、ゲーム的にはやり甲斐がありそう。

元ネタのグレアムは、田舎町の郊外にある丘の上の中世の城に住んでいる。「Sims 1」のときは豪邸でごまかしていたが、本当はぜひともお城に住ませたい!

というわけで、素材サイトから良さそうなお城をDLし、まずはスペック的に動くかどうかのチェック。結論としては、まあ、なんとか……動きました……。全貌を一気に描画しようとするとちょっとタイムラグが発生したりするけど、この際仕方がない。

郊外の丘っぽくてお城が入るサイズの区画は一箇所しかなかった。住んでいたリアルNPCを強制退去させ、容赦なく整地した後、お城を配置!

お城は、インテリアもえとは別のところでテンション上がる!

豪華な内装もいいけど、この使われていない部屋とかが熱い!

次にとりあえずグレアムをアクティブキャラにして、生活ができるかどうか試す。まずポスト&ゴミ箱をどこに置くか。普通なら道路の横なのだが、区画ギリギリまで丘と石段なので道路の横というスペースがない。たとえあっても家の中からあまりに遠すぎて生活に支障が出そう……。かといって石段の上以降に適当な場所があるわけでもないので、見た目は変だけど石段の入り口に置くことに。

玄関までが果てしなく遠いが、家には無事に入れた。ちょうどビザの宅配を頼みたいという願望が出たので、電話でピザを頼む……。他の家で試したときは玄関口まで来て注文者に手渡しという感じだったが、この城の場合、果たして宅配員はどこまでくるのだろうか。

しばらく待つと、ピザ屋のお姉さんがやってきた。グレアムはよりによって城の三階に居たが、受け取ろうと一階まで下りていき、さらに外へ出て階段を下りていく……延々と下りていく……。一方ピザ屋さんは上がってくる気配はなく、ポストのところで待っている。ええーそこまでしか来てくれないなんて宅配詐欺だよ! とはいえ、店は徒歩では辿り着けないし、最高に不便な立地ですばらしい。

やっと下まで辿り着いたはよかったが、なんだか様子がおかしい。なぜか、ピザが受け取れないのである。フキダシには、障害物などで移動できないときに出る絵が出ているが、目の前のピザを受け取るだけなのに、どこに移動したいというんだ。結局、原因がわからないまま、グレアムは諦めて城に戻り、冷蔵庫からジュースを取り出してわびしく食事。ジュースって、それ食事なの? ピザ屋さんはなんとピザを地面に放置して去って行ったらしい。なお、しっかり料金は取られていた。

ともかくこの城は、不便なりに自分では出入りできるようだが、外部から来た人とのやりとりには問題があるようで、先行き不安である。

石段の入り口にポストとゴミ箱を置いて狭くなっていたのがまずかったのか? と思い、さらにおかしいがこれらは石段の踊り場に移動した。しかし、ふたたびピザを頼んで試す気力もないので、とりあえず終了。(※後から思えば、受け渡すには二人同時に移動できるスペースが必要だったのかも? この石段は一人しか通れない)

すっかり疲れたグレアムはそのまま就寝、翌朝を迎える……。

ここで一旦休止し、弟のエイドリアンをNPCにするつもりで作っていた。町のその他大勢の人々をオリジナルで徐々に塗り替えていくのが夢。

上がグレアム、下がエイドリアン。原作では疎遠なふたりだが、Simワールドでは「1」時代からそれなりに仲がいいのだ。

うーん、同じ既存キャラを素材にして作ったのに、なぜか兄貴のほうが美形な気がするのは顔立ちの違いだけではなく、目のクマやげっそり頬のアイライナー・チーク効果、ヒゲの小顔効果、肌スキンのテクスチャ効果など複合的な要素がありそうだ……。グレアムはまあいいとしてエイドリアンはどうもイメージが違うので、いっそ兄に似せることは意識せずに全く違う素材から作り直すかも。

エイドリアンは身体的には女性のFTMなのだが、ゲーム上無理なので普通に男性シムで作成し、「裸嫌い」という性格をつけておいた。詳細不明だがこの性格だと絶対に全裸にならないらしい。裸にならなければ特に見た目上の問題はない。でも勝手に男性として子供とか作ったらちょっと、困るよね……。まあ硬派なので対女性恋愛指数をツールで下げておけば勝手に女性と恋愛関係になることはないだろうが、さらに「子供嫌い」の特質も追加しておいた。特別嫌いという設定はないが、どう見ても好きそうではないし。

そんなエイドリアンだったが、テストプレイのため兄貴を公園に呼び出して会話していたら……よりによって子供が通りかかって会話に入ってきた! 子供といるだけでテンションが下がるエイドリアン。しばらく我慢して会話していたが、しまいには手厳しいことでも言ったのか、子供の好感度ダウン。

グレアム「だめだねえ、だめだねえ、もっと子供には優しく話してやらなきゃだめじゃないか」
エイドリアン「いや、俺は遠慮する。任せた」(ハッ、この男は何を常識人ぶっているんだ)

ところで、なんだか、晴天時の黒が妙に黒すぎて見づらい気がする。グレアムの肌の色も妙にどぎつくなっているのは、陰影の濃いスキンだからなのかなあ。作成画面だときれいなんだけど。

さて翌日。城の状況は不安なままだが、検証にも飽きたのでふたたびアクティブ世帯を切り替え、バージルを主人公に。グレアムとはまだ知り合ってすらいないので、会える保証もないまま、城へ向かう。季節はすでに秋になっていて、外はあいにくの雨。しかも何故か「細菌だらけで病気に感染しやすいので暖かくしましょう」とかなんとかいうマイナス状態に陥っている。要するに、風邪ひいたーってこと? しかしまあ風邪くらいでは死なないだろう……とコートを着てでかける。

タクシーで城の前まで移動し、下りてみると、なんと! タイミングよく傘を差して石段を下りてくる人影が。訪ねていくまでもなく出会えるかと期待した姿が近づいてきてみたら、なんと、グレアムではなく知らない人でした。なーんだ。アジア人っぽいお兄さんだったが、果たして城に入れたのだろうか、それとも……。

城をクリックしてみると世帯を訪ねるコマンドが出たので、訪ねてみる。石段を延々と、延々と上ります……。しかし玄関前に辿り着いたのに、何も起きない。居ないのかな? と思ったが、窓からは灯りが見える。そのうちちらりと半裸の人影も見えた。グレアムは在宅のようだ、なぜ半裸なのかはともかく。何度か試してみたが、訪問できず。

反対側の入り口にも回ってみたが、結果は同じだった。傘を差したまま、門の前で立ち尽くすバージル。高画質で眺められない(スペック的に!)のが残念すぎるほど、妙に絵になる。思えば原作バージルがはじめて城に辿り着いたのは雨の夜で、風邪をひいて寝込んで拾われてそのまま居着いていたのだった。特に狙ったわけではなく全くの偶然だが、なんとぴったりすぎるシチュエーション! と、完全に自分にしかわからない感慨である。

しかしこの図にしてもバージルの服や傘は鮮やかに表示されていて、逆に暗い箇所が暗すぎるようで、気になる。

それはともかく、何度やっても訪問できないんだけど……。知り合いじゃないからかなあ? 例によって移動スペース上のバグなのか、仕様なのかすら不明である。

諦めて、一旦グレアム側をアクティブキャラにして、バージルに対して「迎え入れる」系のコマンドを使ってみることに。慌てて外に出るグレアム。しかし今度はバージルが勝手に帰りはじめてしまった……。

とにかくバージルに話しかけるコマンドを選んでたところ、待ってくれー! とばかりに追いかけはじめた、のはいいんだけど、なぜか最短ルートをとらずに反対方向からダッシュ。しかもすれ違いになってなかなか追いつけず。ちなみにこの写真のグレアムの背後にあるのが問題のゴミ箱である。

グレアムはめげずに下の方まで追いかけてきたが、バージルは無視してすたすた帰る一方。どうやら風邪が辛いからさっさと帰りたいようだ。ちょっと待ってよ、すぐそこの城に入れば暖かくて休めるよ! こんなとき、二人同時に指示を出せないのが実にもどかしい。まあそれこそがこのプレイの醍醐味でもあるんだけど。

妙に熱血なグレアムが丘の下まで追いかけて来てくれたあたりで、ふたたびバージルをアクティブに戻し、自主的な訪問を試してみたが、今度は訪問しようとする相手が外出しちゃったので無理とのメッセージが。外出って、いや確かに家からは出てるけど、目の前にいるのにー!笑

そうこうするうち何かしらバグってハマってしまったらしく。(おそらくは、動作を少しでも軽くする目的で導入していた非公式のエラー修正ツールによって)「動けないシム」と判定され、自宅に強制テレポートさせられてしまった。

……と、いうわけで、城の訪問には失敗したものの、一応グレアムと知り合うことはできた。しかし城に入れない原因もわからないし、先は長い。

さて……強制連行された自宅を改めて眺めてみる。最初はNPCのつもりだったので家の内装は完全にデフォルトのまま、家具も就活しやすいようにPCを追加しておいた程度だった。

が、あまりにもデザインが好みじゃなくて辛いので、これを機に壁や家具を塗り替え、最低限の追加変更を経て、こんな感じになった(編集中の図なのでグリッドが出ちゃっているが)。PCデスクはジュリエットが使用中だったので、後に変更。

さて、ムダな疲労と風邪とでグロッキーなバージルは早々に寝てしまったが、ジュリエットはPCにかじりついて夜更かししている。何をしていたかというと。ネットで「フォーラムに不適切な投稿」をしていた……さすが!!

この家には洗濯機と乾燥機がついていたので、試しに散らかっていた服を洗濯させてみた。これによってふたたびバージルに不運が訪れるとはつゆ知らず……。

仕上がるまでに結構時間がかかるようだったので、洗濯された衣類を乾燥機に放り込んだところで、明日の仕事もあるジュリエットも寝ることにした。

深夜。乾燥機から不審な音が……そして突然あふれる水。はい☆壊れました! しまった、Simワールドでは電化製品がすぐ壊れるのはお約束なんだった。だが二人とも爆睡していて目覚める気配がない。気になる!! しかしジュリエットは仕事もあるのでバージルを起こし、様子を見に行かせる。

バージル「は? なんだよこれ……」

そもそも洗濯をしていたことも知らないし、呆然とするバージル、ヴィーチャとは違って修理スキルもないので、仕方なく修理業者を呼ぶ羽目に。リビングの方まで浸水してきたので、床の水を掃除してみたが、拭いてもまたどんどん溢れてくるのでとんだ徒労である。やっと修理業者のお姉さんがやってきてテキパキと修理をはじめる中、もう知るか! とばかりにまた寝てしまった。

翌朝、リビングの水たまりは蒸発したのか、いつのまにか消えていた。何も知らないジュリエットが爽やかに起床し、パジャマ、というか下着のまま、上機嫌で朝食にワッフルを作りはじめる。あのー、料理できるの? また何か壊すんじゃないの?

ジュリエット「あたしだって、やればできるんだぜ☆」(超ガニマタでオーブンにワッフルをつっこみつつ)

姐さん、その格好はレディとしてちょっとどうかと……。ワッフルのできあがりは「普通」らしかった。初心者にしては上等である。

やがて起きてきたバージルに、さっそくワッフルをすすめるジュリエット。

ジュリエット「どうよ? なかなか美味いだろー?」
バージル「うん……肉よりはマシだな」(上の空)

やがて出勤時間となり、ジュリエットは着替えて颯爽と出かけて行った。と、ここでプレイヤー的に予想外の事態が。メッセージによると、一時間後にバージルを迎える出勤の車がやってくるらしい。えっ!? いつのまに就職してたの? 確か、最初に作ったときはバイトだったから、フリーターだと思い込んでいたよ! しかも何の仕事なんだと思ってチェックしたらまさかの普通のビジネスマン。

まあいい……サボります。風邪も治ったし、今日も懲りずに城に行くんだ。と思ったら今度はトイレが詰まった。もう何なの! トイレの詰まりくらい素人でも治せるかな? と思ったが、今は早く出かけたいし、修理業者を呼ぶか。という、ケチなバージルとしてはあり得ない決断を勝手にプレイヤーが下す。

やってきたのは、昨夜と同じお姉さん。「あとよろしくー」「またなの!?」という感じで、修理完了を待たずに出かけるバージル。他人に任せて出かけても特に何か盗まれたりしないあたり、意外と治安のいい国らしい。

さて城に行くか、と外に出たところで、市役所の近くの広場でやっている「秋祭り」の表示が気になる。このプレイの目的からすると邪道だが、城に行くのはやめて、昨日知り合ったばかりのグレアムに電話して誘い出してみることに。まあひきこもりだから来ないかもしれないけど。

グレアムがオーケーしてくれたので、先に秋祭り会場へ。グレアムはなかなか来ない……まあ、遠いからね! 考え事をしながら待つバージルだったが、次第にエキサイトし、挙動不審に。偶然ランニングしつつ(?)通りかかった消防士に不審な目で見られる。

バージル(ああ、こんなに時間あるなら自分でトイレ修理するんだった、明らかに金を浪費しちまった!)
消防士(な、なんだこの人? どこにでも変人はいるもんだな)

そう、この消防士、実はリュドミルだった。なぜか髪型が坊主になっている!! 非アクティブのうちに勝手に髪型を変えることがあるのだろうか? ただのバグか、誤って髪型を削除しただけならまだいいのだが、後で確認しなければ……。※追記:どうやら誤って髪型ファイルを削除したようで、その後、別の髪型にした。

ようやくグレアムが到着。背後から忍び寄るようにやってきて笑顔をふりまくこの男、さすがである。

しばし会話した後、秋祭りを見て回ることに。まず目に入ったのは、早食い競争の看板……興味がないのでスルー。お化け屋敷のようなものがあったので入りたかったが、グレアムがついてきてくれない。勝手に「りんごくわえゲーム」とかなんとかいうのに参加しに行ってしまった。

お化け屋敷は諦めてそちらを追いかけようとしたところ、なぜか、早食い競争に出場することになった……え? 何故? 間違ってクリックしたのだろうか??

???となりながら、早食い競争会場に行かされるバージル。ふと見れば坊主リュドミルも出場している。しかもこの競争、よーいドンで犬のように食べ始め、なんとも恐ろしい。そしてなんとリュドミルが優勝! 制服&坊主な上に顔にソース?がついてしまって、もはや誰だかわからないんだが……!

なぜだかわからないままに早食い競争に参加させられたバージルにふたたび異変が。メッセージいわく食べ過ぎにより吐きそう。と、思った次の瞬間に、ガチで何か緑色のものを吐きました……え……さすがSims、シュールすぎる!

顔のソースがとれないし、グレアムはどっかいっちゃったし、どうしよう……。とプレイヤー的に凹みつつそのあたりをうろついてみたら、グレアムは付近で遊んでいた。

グレアム「ハハハハハなんだいその顔、まるでエイリアンだね、といって私はエイリアンにまだ出会ったことはないが、君はエイリアンを信じるかい、やつらは月から未確認飛行物体でやってきて、といって未確認というからにはつまり確認されていないのだが云々……」
バージル(なんでもいいけどまだ吐きそう……)

このタイミングで突然鳴る携帯。一応出てみたところ、職場からのお叱りだった。しまった、仕事サボってきてたんだった。けど会社員なんて辞めるつもりだし。それよりバージル的には吐きそうなのが、プレイヤー的には顔のソースがとれないのが目下最大の問題なのだ。おふろに入ればとれるかな? メイクもとれちゃったりしないかな?

微妙なテンションのまま散策を続けますが、今度はトイレに駆け込んで吐く……もはやデートになりません。まあ、食べ過ぎて太るよりはよかったと思うよ! 平然としていたリュドミルが太ってないかどうかが心配すぎるんだけど。

ここでなんと、三次元の災難まで到来。つまり……ゲームがフリーズした! 秋祭り会場が賑やかすぎてキャパ超えちゃったのだろうか。さて最後にセーブしたのはいつだったのかというと。最悪グレアムがピザ屋と格闘していた頃、よくて自宅をプチ改装した頃か。というのもセーブするのに時間がかかりすぎるから、あまり頻繁にセーブできないんだよね。まあ個人的にはストーリー進展のリセットは、キャラメイクや改装のそれに比べれば諦めがつく。

と、いうわけなので。バージルの一連の悪夢はほんとうに夢だったようである。このオチどうしたらいいの!