#016ヴィーチャのパーティー三昧

そうこうする間にSim世界の冬の一大行事「雪の結晶の日」となった。例によって、どう見てもクリスマスである。

ヴィーチャの願望に「贈り物パーティー」を開きたいというのが出ていた。が、ヴィーチャの暮らす廃屋は、狭いわりに木々やガラクタが多くて重め。パーティーをするスペースがあるのか・さらにフリーズしないか心配だが、とりあえずやってみることに。

招待状を出します。友人のアリョーシャ、フランツ、リュドミル、レオニード、バージル、あとは適当に知り合いになっていたイヴ、シエル、エイドリアン。エヴゲニヤも呼びたかったのに、いつの間にか「知人」ですらなくなってしまっているようなのだ。ワールド引越時に設定を修正し忘れたのかも?

というわけで、招待客が男友達ばかりになってしまった。フォーマルな雰囲気でもないので、ドレスコードは「カジュアル」で、朝の11時からスタート。

贈り物パーティーがもうすぐ始まります!最初に使う贈り物の山はここにあります。招待客もそれぞれ贈り物を持ってきますからご心配なく。

贈り物パーティーを企画すると、まずは、贈り物セットが自動的に家に届く。……はずなのだが。「ここにあります」って、どこにあるの??

家中を探してみたら、なんとバストイレに置かれていた! この部屋は元々寝室だったのだが、生活しやすさ重視でお風呂に変更したため、無駄に広いのだ。

プレゼントの山を居間に移動する。世間のプレイ日記でリサーチしてみたところ、贈り物の周りに椅子があったほうがいいようなので、急遽ソファを増やす。せ、狭い! 通行に支障が出そうである。

まだ予定時刻にならないうちから早々とやってきたのはアリョーシャ。持参したプレゼントを置いてくれる。次いでバージルもやってくる。

そんなに早く来ると思っていなかったので、ヴィーチャはキッチンで料理中だった。料理スキルはゼロだが! 後からピザ宅配を頼めば良かったと気付いた。

と、突然、ダイニングキッチンに響きわたるドラム音。

……アリョーシャがキッチンにドラムを広げて練習しはじめていた。しかもヴィーチャが発明した「フロア浄化システム」かなんかの上で。まあ、暇つぶししていてください。

料理を続けていると、突然、招待したはずのリュドミルから連絡が入る。

ごちそうパーティー! 今夜は何もする予定がないそうですので、ごちそうパーティーに招待します。ご自分で何か食べ物を持ってきてもいいですよ。時間:木曜日の13:01 ドレスコード:カジュアル

え?

ヴィーチャ(「何もする予定がないそうですので」? しかも13時からだと? 相変わらず無神経な奴だ……)

こちらのパーティーを11時から開始することを考えると、掛け持ちするにはちょっと苦しい時間設定である。しかし、ってことは、リュドミルは来ないのだろうか?

果たして、断ると仲悪くなっちゃうのだろうか。何故よりにもよって原作でヴィーチャの片思いの相手であるリュドミルなんだ。さらに追い打ちのように、「誰か一人連れてきてもいいよ」などとという追加メッセージが。

念のため曜日を確認してみたが、木曜日とはまさに今日である。複雑な思いを抱えながらも、仕方なく「お断りします」を選択。

開催予定時刻ごろに、やっと料理が完成。品質は「普通」で、素人にしてはマシである。そこにコート姿でフランツが到着。

フランツ「こんにちは、招待ありがとう。料理を買ってきたよ」

なんと、こちらはごちそうパーティーでもないのに、気の利く子! なお他の人は誰ひとり料理は持ってこなかった。

フランツ(というか、彼の手料理ではさすがに不安だと思うのだが。皆、気にしないのだろうか……)

贈り物交換を始めたいところが、朝から何も食べておらず空腹だったので、皆を呼んで食事。

イヴ(パーティーなんだから、花くらい飾ればいいのに。まあこのお化け屋敷じゃなんだけど)
エイドリアン(シエルとか言ったようだが、この男の髪型と化粧は「カジュアル」なのか? それ以前に、男としてどうなんだ)

そこに、やや遅刻しつつも平然と到着したのは、まさかのリュドミル(左端)。なんか変な服を着ている。自分ちのパーティーの準備はどうなっているのだろうか。

リュドミル(ヴィーチャ、先ほど電話したときは妙に不機嫌だったが、どうしたんだろう?)

ひとり暮らしレイアウトでダイニングが狭かったので、大混雑。案の定、通れない! 食べられない! と阿鼻叫喚。

エイドリアン(ともかくも椅子を確保するのが得策だな)
イヴ(椅子よりも、まともな料理を確保しよう……)
アリョーシャ「これもらうぜー」
リュドミル「(まずそうだな。この人は、変わった味覚なのか)あの、通してくれないか?」
レオニード(プロの料理は素晴らしいかもしれんが、少々問題のある手料理もいいものだ)
シエル(リュドミルって子、イケメンだけどそのファッションセンスはどうなんだい)
フランツ(椅子がない……そして僕はなぜヴィーチャの作った怪しい料理を食べているんだろうか)

食べ終えた・あるいは食べるのを諦めた一部の人とともに、リビングへ移動。

バージル「おーい、プレゼント交換はじめるよー!」

まだ食べている人たち……。フランツ、空いたんだから座ればいいのに!

やがてフランツもやってきて椅子に着く。率先してプレゼントを開けたのはリュドミル。なかなかの良賞品があたったようで、大喜び。うん……もういいよ、君はその性格が持ち味だ!

次いでイヴが席を立ち、開封。その一瞬の隙に、やってきたレオニードがサッと席を奪取!

イヴ(うわっ、びっくりした。何、このシビアな椅子取りゲーム……)

なぜか皆、同じソファに掛けようとして座れない座れないと騒ぐのだが、反対側にもあるんだよ。誰も座らないので、配置的に座れないのかと疑ったりしたが……

イヴ「なんだ……こっちにも座れるんじゃないか」

アリョーシャもプレゼントを開封。が、それ……自分で持ってきたやつでは? 気のせいか!!

ハズレ賞品になることもあるようなのだが、意外にも全員が続々と良い賞品をひきあてて喜び、パーティーは和やかなムードに。

そんな中、フランツの番に。

フランツ(………………。)
エイドリアン(プッ!)
イヴ(クスクス)

一体何があたったのか!? と思ったら、フラミンゴの置物(?)らしかった。確かに、要らないが!

途中でシエルは用事があると言ってプレゼントを貰わずに帰ってしまい、代わりにアリョーシャがまた貰っていた。そして結局、ハズレをひいたのはフランツただ一人。フ、フランツ……。ヴィーチャはチェスセットを引き当てて喜んでいたが、チェスは既に持ってるんだよね。

13時近くなり、そろそろ帰りはじめる人が増える。既に断ってしまったが、今からリュドミル宅のパーティーに行けば間に合うだろうか? しかし、アリョーシャがテーブルに座ってのんびりと残りの料理を食べはじめた。

アレクセイ「これ、もったいないから食うな」
ヴィーチャ(帰ってくれとも言えない……)
バージル(ヴィーチャ、なに企んでんのかな?)
エイドリアン(ゴミだらけだ! 掃除をしたくてたまらないぞ。だが、他人の家だ)

しかも当のリュドミルは帰る気配もなく、ダイニングでポータブルピアノを広げて弾いていた! あのー、もう13時過ぎてるけど?

ようやくリュドミルが帰り、アリョーシャとバージルたちも帰ってしまって、最後にフランツだけが残った。……申し訳ないが、頼んで帰ってもらった。

というわけで、断ったはずのリュドミルのパーティーに乗り込む。久しぶりの元・我が家。特に怒られるでもなく、普通に入れた。

ごちそうパーティーはかなり進行していたようで、四方八方に料理とその残骸が。床にまで皿が置かれていたので、ちゃっかりいただくオメガ。ほどなく、リュドミルが何故かコートを着込んだまま二階から下りてきた。

リュドミル「あれ? 来ないのかと思ったけど」
ヴィーチャ「お前が無茶な時間設定をするからだろう。間に合わないと思ったんだ」
リュドミル「だって『雪の結晶の日』は今日しかないんだ、誰だってパーティーをしたいよ。ところで、誰か一人連れてきていいと言ったはずだけど、お前、彼女とかいなかった?」
ヴィーチャ「……。同行者なら連れてきたよ。お前の背後にいる」
リュドミル「……。」

既に帰ってしまった人もいそうな感じで、残った人もなぜか雪の中、外に出て好き勝手にお喋りなどしている。これは……ヴィーチャのパーティーの方がだいぶクオリティが高いぞ。外に出てお喋りにつきあったり、ベースを披露したりしてみたが、飽きてきたので勝手にコンロの改良を始めるヴィーチャ。いつかはこの家に戻ってくるつもりだし、リュドミルも喜ぶだろうし。

時間も遅くなってきて、帰るのが面倒になったので、リュドミルに「泊まっていい?」と聞くと、快くオーケーしてくれた。天然だが、いい子ではあるのだ。

さらに作業に没頭していたら思いの外時間がかかって、完成したころには日付が変わっていた。久しぶりに元・自分の部屋で寝ようかな、と思ったとき、ちょうど戻ってきたリュドミルからまさかの一言が。

リュドミル「もう遅いけど、そろそろ帰らなくていいのか?」

……無言で家に帰って寝ました。

オメガが慰めてくれた……。か、どうかは、この老犬もかなり薄情なので定かでない。

一方そのころ。

リュドミル「あれ? いつの間にかコンロがグレードアップしているぞ。サンタクロースが来たのかな!」