#008グレアムのメイドさん

普段はNPC扱いのグレアムだが、一度アクティブに戻してやらねばならないことが二つあった。ひとつは、来ている気配のないメイドを雇いなおすこと。もうひとつは軍を辞めて晴れて無職になることである。

どこにいるのかな、と見たら、飲食店の前にいた。いつのまにかアキと知り合いになっているようだ。

まず退職したいが、ゲームシステム上、非アクティブキャラがいつのまにか再び就職するのを避けることができない。この世界では、家事専業すら許されないのである。そこで「Careers」というMODを導入することに。これで「無職として就職」することができるようになる。無職の種類は「お金が腐るほどある」というのを選択。これでようやくグレアムらしくなった。

市役所にて無職の申請(笑)を終えたころ、雨が降ってきたので、近くの委託販売店に立ち寄ってみた。新しく引っ越してきたジャスティンも委託販売の専門家になっていた。アリョーシャと二人で店番をしているようだが、他に客の姿はなく、二人とも暇そうだ。

アリョーシャに「失礼な自己紹介」をしてみる。何気に背後でレジ係のジャスティンが欠伸をしているが……。

グレアム「やあやあどうも!」
アリョーシャ「……?」

グレアム「私はグレアム某というんだ、おたくの閑古鳥は元気かい?」
アリョーシャ「は? なんだよこいつ」
ジャスティン(何か口論しているようだが、勤務中だから関与しないでおこう)

意味もなくアリョーシャと仲が悪くなったところで、撤退。

店を出ると、NPCの幼女が雨に濡れている。

グレアム「おやおや傘を持っていないのかい、雨に打たれるのも楽しいものだが、私の傘に入るかい?」
幼女「知らないおじさんと遊んじゃダメなんだよ!」

逃げられました。

もう夕方なので、とりあえず城に戻り、メイドサービスにもう一度電話。

グレアム「先日頼んだメイドはどうなっているんだね? ちっとも来ないじゃないか」
派遣会社「そんなはずはないのですが。ただいま向かっておりますのでご確認ください」

そのとき、どこかで見た顔の人が城に入ってきた。先日バージルがすれ違ったアジア系のお兄さんである。タイさんという名前らしい。

タイさん「おやご主人様、お帰りでしたか。本日もよろしくお願いします」
グレアム「なんとまさか君、メイドだったとは! まあちょうどいい、ちょっと付き合いたまえ」

グレアムの雑談に付き合わせられるタイさん、ちっとも仕事が捗らない。しかし深夜になると、定時なのでとそそくさと帰って行った。城に出入りするにも時間がかかって効率が悪いが、住みこませることはできないようだ。