#004 ロイツェル兄妹の小屋暮らし
NPC用に作ったバルタザールを、とりあえず小屋という感じの小さな家具つきの家に入居させてみた。
冷蔵庫へ赴き、食品を取りだしたはいいが、なんと食べるテーブルと椅子がない。家具つきといっても、ごく一部の家具だけのようだ。バスタブに座って食べ始めるバルタザール……立ち食いは下品だと思ったのか?
さすがに可哀想なので、ダイニングテーブルと椅子を設置。内装は当初いじる予定はなかったのだが、元があまりにもダサかったので、ついでに壁や家具を多少塗り替えた。
テーブルができたので執筆作業をしていると、突然チャイムの音が。出てみると、ご近所に住むNPCの老夫婦が新しい住人に挨拶しにきてくれたのだった。タイミングが悪く写真では挙動不審に見えるが、実際には礼儀正しく挨拶を交わし、仲良くなった。年寄りは敬わねばならない。
会話するうち、警察を目指したいと思いはじめるバルタザールであった。
夜も遅いので就寝し、翌朝も規則正しく起床。起きたらまずベッドを整える! 住人がまったくベッドメイキングをしないがために常にぐちゃぐちゃの某家を見なれると、これだけで感動的である。
朝食をとり、トイレに行き、手を洗う。……この世界において、トイレの後で手を洗う人をはじめて見た!! そして就職口を探して警察署へ。
無事に警察への就職が決まり、明日から下っ端として働くことになったバルタザール。警察署を出るなり、携帯を取り出す。ん……? と思ったら、どうやら昨夜のおじいさんに電話しているようだ。
バルタザール「良いご報告があります。さっそく警察にて勤務することになりました」
おじいさん「それはよかったなあ」
キョウコ「君ってちょっと、地味ね。若いんだから、アクセのひとつでもつけたら?」
キョウコには一方的にまくしたてられ、傍らでアキは勝手にブランコで豪快に遊んでいる。この自由奔放な兄妹と、果たして友達になれるのだろうか……。
その夜。ひとり暮らしのはずだったのに突然、妹・ブリュンヒルトがやってきた。ティーンエイジャーSimはひとり暮らしができないのだ。やむを得ず面倒を見ることに。
家に辿り着くなり、学校の宿題を始めるブリュンヒルト。深夜のことなので、バルタザールはすでに寝ていた。
と、外で不審な音が……。
好奇心旺盛なブリュンヒルトが外に出てみると、なんとUFOが下りてきて宇宙人に攫われた! キャプチャを撮り忘れたが、姿も見えなくなる。えっ? どうなるの!? しばらくすると解放されたらしく、ふらふらと再び家に戻るブリュンヒルト。何か身体を調べられたような気がするらしいが、大丈夫だろうか!
体力も限界だが、思春期の妹は兄と一緒に寝るのは嫌らしい。しかたなく臨時のベッドを設置し、なんとか就寝。さすがに二人住むには狭すぎるかもしれない。
翌朝、バルタザールは爽やかに目覚めて朝食を食べ、もちろん食器はちゃんと洗って片づける。一方のブリュンヒルトはまだ眠り足りないが、学校の時間が近づき、仕方なく起きたようだ。
ブリュンヒルト「あのねバルタザールちょっと聞いて、昨夜ね!!」
バルタザール「もう学校に行く時間じゃあないのかい。そもそも夜更かしして朝食を摂らない生活は健康に支障を来し、社会への貢献度が——」
ブリュンヒルト「あっ! バスが来ちゃう!」
結局、宇宙人のことを話す暇もなく、二人で猛ダッシュ! バルタザールははじめての職場へ、ブリュンヒルトはスクールバスで学校へ行ってしまった。
この二人はNPC用途で作ったので、今回はこのあたりでおしまい。