The Sims 4 「Sims 4 Studio」でCCを管理&編集
更新:2025/08/02
The Sims 4 のCC制作用ツール「Sims 4 Studio」(Mac版のDLはここ)(以下S4S)を用いて、既存CCを管理・編集する際の覚え書き
※私はMac版使用だが、Win版も基本操作は同じと思われる
S4S全般
Macのセキュリティによりアプリが開けない場合
S4Sに限らないが、近年のMacOSではAppleが未確認のアプリはデフォルトでブロックされるため、個別に許可する必要がある(インストールやアップデート後の初回起動時のみ)
⚠️許可は安全なアプリであることが確かな場合のみ自己責任で行ってください
例えばMacOS Sequoiaの場合、S4Sを起動しようとすると「ゴミ箱に入れる」のダイアログが出るので、[システム設定]→[プライバシーとセキュリティ]の下の方にある[セキュリティ]欄を確認し「お使いのMacを保護するために"S4Studio.app"がブロックされました」となっていた場合、「このまま開く」をクリック、画面の案内に従って許可する。参考:Apple >「Macでアプリを安全に開く」
保存し忘れに注意
S4Sでは編集したpackageを閉じる際に確認ダイアログが出ないので、編集後に必ず[Save]ボタンかcommand+Sで保存する。
他スウォッチへの適用し忘れに注意
アイテムのフラグ系は、Swatch(色などのバリエーション)ごとに存在する。Studioタブのカテゴリやフラグ変更は[Apply To All Swatches]ボタンで全スウォッチに適用できる。(※色フラグなどは個別に設定)
Warehouseタブでは全てを1つずつ編集する必要あり。
S4Sでpackageを開いてもStudioタブが表示されない場合(Warehouseタブのみになる)
packageがマージされている(複数アイテムが1つのファイルにまとめられている)。
メニューの[Content Management]>[Un-merge Package]で個別のpackageに戻してから編集する。
packageファイルのマージについて
The Sims 3ではpackageをマージしてファイル数を減らすことでゲームの起動が速くなったが、The Sims 4ではそのようなことはない(過去に公式関係者が回答していた記憶あり、ソースを失念したため多分です)ため、通常は特にマージする必要はない。
CASアイテム関連
CASアイテムのテクスチャについて
CASアイテムはテクスチャが一枚の画像内の特定領域に割り当てられている。
CC服は本来と異なる領域を使用している場合もあり、同じ領域を使用しているものを同時装着すると表示がかぶってしまう。服やアクセ以外に3Dの睫毛やヒゲも注意。
※どの領域を使用しているかはS4Sでpackageを開き「Texture」タブで確認できる。
※領域割り当てのテンプレート画像をDLしておき、「Texture」タブの「Diffuse」のテクスチャ画像をExportボタンで仮に保存して、グラフィックソフトで両画像を重ねてみると解りやすい。
CC服&アクセのカテゴリについて
基本的に、カテゴリは変更しても装着に問題はない(強いて言えば、例えば頭付近のアイテムを足の爪カテゴリにするなど位置が離れすぎると、ズーム時に不便だったり、自動生成サムネが範囲外で何だか判らなくなることはある)。ただし上記のテクスチャの使用領域の重複があるため、必ずしも変更前カテゴリのアイテムと同時に(正常な表示で)装着できるようになるわけではない。
逆に言えば、テクスチャ領域が重複していなければカテゴリ変更で同時装着が可能になる。
例えば、テンプレート右下あたり(服や靴の領域のうち身体にかぶらない部分?)を使用しているCCのアクセサリー服(通常の服に追加で装着するための上着やマフラーなど)は、腕輪や指輪カテゴリになっていることが多いが、私は「Tights(レギンス)」に変更している。このため本当のタイツやレギンスは「Socks(靴下)」に変更しておく。靴下とタイツを同時装着したいことはあまりないが、腕輪とアクセ服は同時装着したいので。
CASアイテムの性別関係フラグ変更
現在のSims 4 では、性別(ジェンダーが男性か女性か)、体格(男性的/女性的)、服装の好み(男性的/女性的)、妊娠する/させる可否などは個別の概念となっている。(運営によると性別二元論的な問題は残るがシステム上やむを得ないとのこと。なお英語版ではPronounが選べるようになり疑似的なノンバイナリーシムが作れるが、他言語では不可)
このため公式の服は性別に拘わらず着用できるが、CCの服や髪型は特定の性別にフラグで固定されている場合もあるため、それを変更する。
個人的運用(SOGIの多様性重視プレイ):
Fashion Choise(服装の方向性):Feminine(女性的)とMasculine(男性的)があり、両方チェックも可能(いずれにもチェックがないと表示されない場合があるので注意)。CAS画面のデフォルトで「服装の好み」と同じ方向性のものにチェックが入った状態になる。異なる方向性でも下記の制限フラグが立っていなければ着用は可能だが、ユニセックスな髪型などは予め両方の方向性に編集しておくと便利。
Restrict for opposite gender(反対の性別の着用を制限するフラグ):オフにする。オンになっていると性別設定と体格設定が一致していないシムが体格に合った服を着用できない。
Restrict for opposite frame(反対の体格の着用を制限するフラグ):基本はオフにする。反対の体格で表示が崩れるもの(全身スキントーンやネイル)、同デザインの男女体格用が個別にあるものはオン。
スキンディテールや眼球などのCCをカテゴリ変更して管理する
全身スキントーンや眼球などはクリエイターによりカテゴリ設定が様々なので、CAS画面で探しにくかったり、同時装着できるものが異なったりする。このため自分ルールを制定し、同一パートを同一カテゴリに変更して統一している。
例:
全身用スキントーン:OccultBrow(眉毛のディテール)に統一
顔全体のディテール(フェイスマスク):Forehead(額のディテール)に統一
眼球:OccultEyeSocket(目のディテール)に統一
睫毛:OccultLeftCheek(頬のディテールの左)に統一
すっぴんぽい唇:OccultMouth(口のディテール)に統一
※割り当ては何でもいいが、全身スキンは使用頻度の低いカテゴリにして「肌のディテール」と併用しやすくする
※元のCCがメイク等でも、カテゴリ変更のみでスキンディテールとして使用できる
※装着後にpackage編集でカテゴリ変更しても、勝手に外れることはない(カテゴリごと全て外すか、変更後のカテゴリの別のものを装着することで外れる)
スキンディテールやタトゥCCの表示について
※スキンディテール、タトゥ、メイクなどが正常に表示されない場合に確認
装着した各パーツはPhotoshopなどのレイヤーと同じ概念で重なっている。Warehouseタブの「CAS Part」を選択し、右のDataタブを編集することで重なり具合を変更できる
レイヤー表示順序:「SortLayer」の数値が大きいほど上層に表示される。このため例えば個別のスキンディテールが全身用スキントーンより下になっていると正常に表示されない。公式パーツでは母斑2025、傷跡2050、ほくろ・そばかす2100、皺2200、タトゥ3000などを確認。全身スキントーンは2000未満にしておくのが良いか。
レイヤー表示方式:「CompositionMethod」が「0」は通常表示。「3」がMultiplier(乗算)表示。個人的にスキントーンはベースの肌色の上に質感がブレンドされて1枚で使い回せるMultiplierタイプがオススメ(CCではOverlay版という名称になっていることが多い)。
ポーズ関連
CASポーズのカテゴリ(特質)を変更する
使用したいCAS用ポーズに、既に別ポーズで使用している特質が割り当てられていて、変更したいことがある。
- S4Sを起動し、最初の画面の「Animation」から「Override」を選択し、例えば大人の「Proper(生真面目)」に変更する場合、「a_CAS_trait_proper_x」を選び、Nextボタンを押して保存(一時的に参照するだけなのでファイル名はなんでもよい)
- 手順1で作った参照用packageのWarehouseタブをの「Clip」を開き、
Clip > Name(これは不要かも?)
ClipName
Key > Instanceの3つの値を控えておき、変更したいポーズpackageの同じ項目にコピー(既存の値を上書き)。
- Warehouseタブの「Clip Header」も同様に参照用から値をコピー(既存の値を上書き)。
- ポーズpackageを保存して完了。ファイル名は編集したことがわかるようにしておく。参照用packageは不要なので削除する。
英語の特質名はシムズ4情報wiki > シムの特質などで確認できる。
Build Buy オブジェクト関連
オブジェクトに接近しても消えない(非表示にならない)設定にする
Warehouseタブの「Model > Data」を開き、「U3」の値を0にする。
※この状態でさらに接近すると消える場合は「U2」も0にする(多分)
パソコンなどを「壊れない」設定にする
Warehouseタブの「Object Catalog」を選択し、「Common」内の「ObjectTooltipTags」の編集画面を開いてAddボタン→「LocalizedStringTag」から「MiscUnbreakable」を選択してSave。(Valueは0でよい)
※スウォッチの数だけ「Object Catalog」があるので全て設定する必要がある
オブジェクトをライブドラッグできる設定にする
Warehouseタブの「Object Definition」を選択し「Components」の編集画面を開いてAddボタン→「ObjectComponent」のValue「LiveDrag」を選択してSave
その他
CCのリカラー作成(個人的につまずいた部分の簡易メモ)
※公式アイテムではなくCCのリカラーを作成する場合
※予めリカラーが許可されていることを確認
- MacのHD内の、Documents(書類)> Sims 4 Studio > Mods にオリジナルのpackageをコピーして入れておく(ゲームプレイ時のModsフォルダではないことに注意)
- S4Sを起動し、CASアイテムの場合は「Create CAS Standalone」を選択してCASボタンを押し、Content「Custom」で絞り込んで1.のCCを探して制作を始める(オブジェクトの場合はObject > Standalone Recolor)
使用時はオリジナルのpackageもModsフォルダに入れておく必要がある。
読み込みを軽くするためのCCの運用方法
※シムの髪型などを一度決めたら頻繁には変えないプレイスタイルが前提
Modsフォルダに髪型などを常時大量に入れていると重くなるため、新規シム作成や変更したい時のみ全て入れて試着し、決定したもののみコピーで導入。元ファイルは普段はModsフォルダ外に保存しておく。
導入するファイル(コピーしたpackage)をS4Sで開き、使用しない色を削除してファイルサイズを小さくする。Studioタブで色を選び「Remove Swatch」で削除して保存。packageのファイル名に「編集済」など付けて元と区別がつくようにしておく。※ただし現在、私の環境では建築モードのオブジェクトはこの方法ではエラーでS4Sが落ちる場合がある